ロジャー・ダルトリー ロジャー・ダルトリー 翻訳

Tracks of My Years

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BBCのラジオ 2の朝の番組で、先週(11月19日〜23日)、5日間連続で、「Tracks of My Years(「長年の愛聴曲」の意)として、ロジャー・ダルトリーが毎日2曲を選びました。
https://www.bbc.co.uk/programmes/b006wr34
番組のロジャー出演部分を大まかに聞き取って訳しました。
ページの一番最後にSpotifyのプレイリストを投稿しています。

11/19
The Crickets - That'll Be The Day
Harry Nilsson - Without You

最初にバディ・ホリーのギターを聴いた時、これはエレキギターを作らないと、と思ったそうです。その前はスパニッシュ・ギターをいじっていたけれど、この曲のギターの音が忘れられなくなったとか。バディ・ホリーの活動は2年間しかなかったけれど、この曲が心に染み渡っていたとのことです。

注:ザ・クリケッツ=バディ・ホリー&ザ・クリケッツ
余談:管理人は数年前、バークリー音楽院の音楽ビジネス入門(?)的な無料オンライン講座を受けたことがあるのですが、その中でバディ・ホリーがレーベルにかけた窮状を訴える電話の音源が課題に使われていて、それはそれは陰険な内容だったのを思い出しました・・・脱線すみません。

ハリー・ニルソンのことは知っていて、才能があり、とても面白い奴で、自分を捉える何かがその声にある、この曲の何かに和まされるとのことです。DJからミュージシャンとしてどの位置にランクされると思うか、との問いかけに対し、ハリーは最高のソングライターの一人で、このレコードは素晴らしい、(ランクづけのような)競争にしてしまうのは好きじゃない、と笑いながらも、DJに促されるとかなり上の方、と答えていました。

11/20
Elvis Presley - Don't Be Cruel
The Band - The Weight

選曲の理由は、あまりかからないエルヴィスの曲だから。初期のハート・ブレイク・ホテルのような曲や後期のはよくかかるけれども、ということです。
「冷たくしないで」はどこか好きなところがあって、それはただクオリティが良いというだけで、それ以上は言えないんだけど、とのこと。
とにかくこのプレイリストを選ぶのが難しくて、座り込んで、頭を掻きむしっちゃったよ、好きなのがいっぱいあるからね、と言っていました。
多くの若者がエルヴィス・プレスリーになりたくて真似をした話から、DJが「多くの人達がなれなくても、あなたはエルヴィスになったじゃないですか」と話を促すと、ロニー・ドネガンに影響を受けたこと、歌うスタイルは時を経て付いてくるものだということ、ザ・フーの初期の曲を昔通りの音で歌えるけれど、60年の人生に伴い、多くのかたちで声が変わってしまった、と語っていました。声を保つのに、日頃からのケアとして、常に働かせることだと答えています。止めたりしたら(ダメになる)、結局は筋肉の問題で、特に自分の歳ではね、という話もしていました。仕事をするのは喜びであり、その人のために歌うのであって、オーディエンスが一人であろうと50000人であろうと、同じことだそうです。

ボブ・ディランのツアーをサポートしていたザ・バンドと、ベルファスト公演で出会った時に、これはすごいことになるぞと思った。アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」を聴き、特にこの曲は、リラックスしてゆったりした演奏技術、そしてやはりサウンドが素晴らしい、ということです。

11/21
Ike & Tina Turner - Nutbush City Limits
Bee Gees - To Love Somebody

自伝にも出てきますが、「トミー」の撮影の時に、何時間も「アシッド・クィーン」役だったティナー・ターナーの下で床に寝転んでいたのに、何一つ覚えておらず、大ファン過ぎて恐れ多くて一言も話せなかったそうです。ただこの曲が好きだから、というのが理由のようです。その後はドラッグをやらなかったことについても話しています。

ビー・ジーズの声のサウンドが素晴らしい、3人とも面白い奴で、バリーとモリスはツアー中によく一緒だった、ものすごく面白い、ロビンはとろけるような声を持っていた、ただこの曲が大好きなんだ、とのことです。

11/22
Gary Wright - Dream Weaver
The Beatles - Love Me Do

これも彼の声のサウンドが好きなのと、最初に聴いた時、至る所で使われているわけではないのに、曲全体に異なるフィーリングを与えているシンセサイザーの使われ方も気に入った。このレコードが当時どれくらい人気があったのかわからないし、ゲイリー・ライトが誰だか、多くの人がわかっていないけど、この曲が大好きで、特別なクオリティーがある、ということです。

最初に俺たちが電波に乗ったこの曲を聞いたのはラジオ・ルクセンブルグ(ルクセンブルク大公国が長波送信機を使って流していた英語放送)でBBCはかけなかった、それは危険なんてもんじゃなかった。この曲も、そのサウンド(が好き)で、ビートルズの「ラブ・ミー・ドゥ」のサウンドこそ、スウィンギング・シックスティーズをスタートさせるイグニッションにキーを入れることになった。ビジネス全体、音楽業界全体が変化し、その鍵となった。すごいサウンド、ハーモニカのサウンドが一緒になって、それまでに聞いたどんなものとも全く違っていた。(もしビートルズがなければ、ザ・フーもなかったと言えますか?と聞かれ)俺に言えるのは、それがどういうものか、あるいはどうだったかってことだけで、知っての通り、この曲が60年代とイギリス音楽業界の大きな発展をスタートさせたってことだ。

11/23
Martha Reeves and The Vandellas -Dancing In The Street
The Traveling Wilburys - End Of The Line

ザ・フーはかつてこの曲を演奏していたが、俺は決してマーサのようにうまくは歌えなかった。(司会者と一緒に笑う)昔はよくデトロイトで演奏したものだ。当時デトロイトでは人気があった。自動車の都市で、今とは違って、特別な場所だった。アメリカの自動車産業が絶頂期で、マーサ&ザ・ヴァンデラスが歌うこの曲は元気が溢れんばかりで、業界で指示されていた。

この曲は聴くたびに、時代の最高のミュージシャンが集まっているのがすぐわかる。動画を見れば、楽しげだ。大好きな曲だ。ジェフリー・リン、ロイ・オービソン、トム・ペティ、ジョージ・ハリソン、ボブ・ディラン・・・、彼らがみんな微笑んで、笑いながら、ただ素晴らしい時を過ごしている。すごい喜びがあって、そこには何の独善的な行為がない。

この選曲シリーズのまとめとして、最終日は自伝の話、それから今後のことを語りましたが、チャリティや自身のバンドには言及するものの、フーには触れず。また、(チャリティに本腰を入れるために?)来年の夏一杯、休みを取る決意がある、とも語りました。

追記:このSpotifyプレイリスト、ザ・クリケッツの「That'll Be the Day」はアルバム「20 Golden Greats」の音源を選びましたが、サムネイル写真を見たザ・フーのアートデザイナーが、ジャケ写真は「四重人格」のジャケも撮ったロジャーの従兄弟のグレン・ヒューズの作品だと教えてくれました。https://www.discogs.com/Buddy-Holly-The-Crickets-20-Golden-Greats/release/1730459

https://open.spotify.com/playlist/1eqNXuf0WyE8K437U5kZ2X

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