リージョンフリー・プレイヤーを新しくし、PALもストレスなしにテレビで再生出来るようになったので、６年寝かせたままだったザ・フーのアンコール・シリーズ、2007年ヨーロッパ版を観始めました。
全部揃えてはいるんだけど、北米ツアーでキーボードがラビットからブライアンに変わった後はもう観なくなってしまった・・・。発売当時は北米シリーズの不具合を指摘して多少ディスカウントしてもらいましたが、今では半額で売られていますね。
久々に観ると『エンドレス・ワイヤー』からの選曲が面白い。
もうすぐツアーが始まる『四重人格』のようなノン・ストップ・パフォーマンスじゃないので、曲間に公演毎のオーディエンスとの微妙なケミストリーがある。2006年からツアーを重ねてピートとロジャーの間のグルーブ間が増し、MG/CIYWやスパークスのジャムが鋭く、まだまだザ・フーはこの二人がいる限り健在と思わせる。
ラビットが上手い。ローレンも絶妙ですごく好きだけど、今はまだやっとザ・フーとして見るのに慣れたばかり。この抑えたオルガンのバッキングはラビットに分があるかも。（ジョン・コーリーはまた別の話）ピノもロジャー・バンドの（且つDLRの影響が大きい）ジェイミーと聞き比べると、ヨーロッパ的で軽やかな自在さがあり、それに音選びがさすがに面白い。（ジェイミーの重厚なファンキーさも好きだけど）
それに『スパークス』が入ってないと中々お目にかかれない、ピートの「バードマン」ポーズがたっぷり観られるのは嬉しい。（当時のスクリーンもセットで目に焼き付いている）
【19/06/07 Oberhausen,DE】
ロジャー、『ビハインド・ブルー・アイズ』で２コーラス目とサビを勘違い、歌詞忘れ。笑っているのにザックはチラリとも目線を合わせずそのまま続行。シニアモーメントと若いときの話を無理矢理こじつけて『リアル・グッド・ルッキング・ボーイ』。『マン・イン・ア・パープル・ドレス』ではスモーク・アレルギーのため（本人申告）出だしを外す。『リレイ』はエッヂィで素晴らしい。ピートはいつものピート。全体的にはまずまずのパフォーマンス？
【22/5/07 Birmingham,UK】
髭を剃っていないロジャー。「ザ・フーのビジュアル担当」のザック、赤いTシャツのブランドが気になる。ボタン付きシャツより少し恰幅良く見えるかも？イギリスに戻って嬉しいと言っていて、2007年欧州ツアーはイギリス発じゃなかったのに今更気がつく。当時はあんなに毎日追っかけてたのに、もう忘れている。
『サウンド・ラウンド』のスタートが変。
ピートの調律に合わせて（？）ロジャーが自分の肩をキリキリ巻いて、更に耳たぶもキリキリ巻いてザックにポインティングでキューを出して始っている。この公演だけのジェスチャーなのか、今のところ謎。少なくとも2006年では見ていない。演奏は良い。
新曲の気まずさから（？）ピートがババをクラシックと呼んでいるけど、そこからの流れはさすが。
まだリアル・ミーも転調していなくて、ハリと緊張感がある。『マイ・ジェネレーション』/『クライ・イフ・ユー・ウォント』からのうねりが素晴らしい。
最後にロジャーがZimmersの『マイ・ジェネレーション』を称賛、あの話題作の発売から既にこんなに月日が経ったのかと感じる。
【16/05/07 Lisbon,PT】
ロジャー、2002年ツアーと同じシャツ、眼鏡忘れ。ザックのTシャツ、「いいね！」ピートはスーツが格好いい。今より若干細め？
『ザ・シーカー』では少しもたつき気味、ロジャーがいつもより足踏み激しくザックに合図しているように見える。その後は『リアル・ミー』で掴みは上々。「ミック・ジャガーみたいにポルトガル語話さなくてごめんね」とピート。ミニ・オペラはリスボンの観客には少々きつかったか。し〜んとした気配が画面から伝わるよう。
この公演の（DVDの）ミキシングは時々ザックの音が力み過ぎに聞こえ、演奏が噛み合っていないときに余計目立つような気がする。『エミネンス・フロント』あたりからピート、本領発揮。『ドゥローンド』はお得意の「フラメンコ調」ギターが素晴らしい。もしかしてその後にギターをピックで叩いて壊そうとしているのかもしれないが、画面が暗くて良く分らず。この公演はピートが随所でいわゆる「ナッツ」化していて、「天才ピート・タウンゼント」をたっぷり楽しみたい方におすすめ。MG/CIYWでもロジャーのヴォーカルと共に冴えたギターを堪能出来る。
アンコール前にピートとロジャーがポルトガルの旗を掲げたり、T&Tの前にロジャーがマイクスタンドを壊したり、色んな場面でツッコミどころの多い公演。カメラワークも秀逸、ザックが真剣な眼差しでいたかと思うと鼻を噛んでいる奥でサイモンがタオルで汗を拭いている、など普段視界に入らない場面も観られる。
以上、先週〜今週にかけて観た３公演分を書いてみました。