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ピート・タウンゼント自伝「Who I AM 」抜粋を読んで

投稿日:2012年10月5日 更新日:


 

英「The Times紙」の宅配版別紙3日分と「The Timesマガジン」に、ピート・タウンゼントの自伝『Who I Am』の抜粋とインタビューが掲載された。そのうちマガジン版の10ページを入手し、ざっと読んだ。主にバンドの始まりや代表曲のビハインド・ストーリーが書かれている。

「米Rolling Stoneマガジン(October 11 2012)」はまだ手に入らない(10月7日に届く予定)が、そちらにも10ページの抜粋が掲載される。

「The Timesマガジン」の抜粋を読んだ感想としては、ピートの元クラスメイトでザ・フーのメイン・アーカイヴィスト、リチャード・バーンズが出版した『Maximum R&B』という年代記本や、彼のライナー・ノーツに限りなく準じたものだと言える。(同じ人物の歴史だから、違う方がおかしいが)
まるでバーンズの本を違う人物が少しだけ加筆修正したかのように、これまで知られたフーのエピソードから大きく逸脱してはいないようだ。

まだ手に入れていない「The Times紙」宅配版別紙を読んだファンの感想では、キースのロールス・ロイス伝説(誕生日パーティをしたホリディ・インでプールに車ごと飛び込んだエピソード)がロジャー・ダルトリーと同じになっていて、実際にあった事とされているようだ。(つまり、トニー・フレッチャーの伝記とは違う。トニーの伝記はキースの誕生日を訂正した功績があるものの、「ロジャーが新車(実際は中古)を購入した」など、事実と異なると指摘される部分もある。)

ファンが気になるロジャーとの確執に焦点が当てられているわけでもなく、あくまでもその当時の曲の解釈の違いが淡々と綴られている感じ。

他に個人的に気になったところ。

ターゲットマークにTheWhoの文字を施したマーキーズのポスターのオリジナルの発案者に、ブライアン・パイク(英デザイナー)の名前が具体的に出ていなくて、ピートの描いた絵が元になっていることが明かされた。モッド・デザインをノートに記していたことも描かれている。

2007年頃、TWT.com (The Who Tour.comの略。世界ツアー公式サイト。このTWT.comとピートの旧サイト、旧ブログを含む全コンテンツの権利が現在の公式サイトに移管された) ホームページにブログ・セクションがほんの一時期出来たことがあって、そこに「ロジャーは退学になってもまだ仲間に会いに学校に来ていた」ことが書かれていた。手元にアーカイブがないので、自分の記憶違いだったように感じていたが、やはり間違っていなかった。
ロジャーが学校にスカウトしにきた場面などは、後に映画化されてもいいほどだ。その場面に登場するハムリン先生のことは前にもブログで読んだので、一度写真を見てみたい。

全体に若い頃のことが生き生きと描かれていて、同居していたバーンズと、2週間もお互いに片付けてもらっていると思い込んでいたところなど、普通の若い男性と変わらない。ロジャーが寝床から引きずり出してギグに連れていかないといけなかったのも、ファンにとっては、ああ、やっぱり、と思えるだろう。

バンドの創世記がピートにとっても良い思い出になっているのが感じられて嬉しい。

伝記に出て来るバンドの関係者たちは今やfacebookに居る時代。バーンズの本で見た若々しい顔がそのまま年老いて、写真も公開され、ロジャーやピートと今でも良い関係なのがわかる。彼等の写真を見ると、「バンドの長い歴史」と「若い時にフーの音楽を聞いていたときのままなファンの意識」とのギャップがひしひしと感じられ、本当の伝記はそこにあり、部外者には決して知り得ないものだと知らされる。

(抜粋を読む限り)半分に減らされたというだけあって、情報に富み、スッキリと分かりやすい文体で、非ネイティブにも読みやすい。

少し気になるのは、『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』がチャーリー・パーカーのインプロヴィゼーションのことだとすぐに分かる一般の読書がどれだけいるか、ということだが、本編にはどのくらい詳細に記されているのだろうか。

もうひとつ、アートスクールで「パトロンを持て」と教わったと言ってるのが以前から気になっていたが、何か詳しく語られるのだろうか。

Times紙は2日版が「セックス、ドラッグ、死別」3日版が「逮捕」になっていて、手に入れようかどうか悩んでいるが、本編が届く方が早いだろう。

伝記は英国版と米国版があり、発売日と値段が異なる。

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