ザ・フー

ピート・タウンゼントのキース・ムーンとジョン・エントウィッスルに対する発言の真意

投稿日:2019年11月30日 更新日:


ピート・タウンゼントが、亡くなったメンバーのキース・ムーンとジョン・エントウィッスルに対し、ローリングストーン誌上で発言を行い、多くのメディアのヘッドラインを飾ったことに関し、自身のフェィスブック・ページで謝罪しています。

この件に関しては、すでに日本語の記事にもなっていますが、殆どが翻訳や解釈が不十分です。

まずは、11月25日付でローリング・ストーン誌に掲載された記事から、該当部分のインタビュー

引用ここから〜〜〜
“It’s not going to make Who fans very happy, but thank God they’re gone.”

Because?

“Because they were fucking difficult to play with. They never, ever managed to create bands for themselves. I think my musical discipline, my musical efficiency as a rhythm player, held the band together.”

Townshend took on his bass player first. “John’s bass sound was like a Messiaen organ,” he says, waving his angular limbs. “Every note, every harmonic in the sky. When he passed away and I did the first few shows without him, with Pino [Palladino] on bass, he was playing without all that stuff…. I said, ‘Wow, I have a job.’ ”

「フー・ファンを喜ばせることはないだろうが、彼らがいなくなって有難い」

というと?

「なぜなら、あいつらは一緒に演奏するのがひどく難しかったからだ。あいつらは自身のためのバンドだと上手く作れたことがない。俺の音楽的訓練、リズム・プレイヤーとしての音楽的な手腕がバンドをまとめていたんだと思う」

タウンゼントはまず、ベース・プレーヤーへの見解を述べる。
「ジョンのベースの音は、(訳者による追記:共感覚と鳥のさえずりのような作風で知られた)メシアンのオルガン(の曲)のようだ」
と、彼は話す、角ばった手足を揺らしながら。
「すべての音、すべてのハーモニックが天上のもの。あいつが亡くなって、あいつ抜きで、最初の公演をいくつかピノ(パラディーノ)とやったが、ピノはそういうのは全部無しに演奏していたから、言ったんだよ、『おお、俺にやる事があるぞ』って」

〜〜〜引用ここまで

この後、ピートは自身のインスタグラムで、ファンからこの件の真意を問われ、回答します。
当該コメントはパソコンから見ることはできないようですが、スマホからだとまだ表示されます。

引用ここから〜〜〜
“Well, it was ironic, I laughed when I said it. I miss them terribly as friends, but what I said was their death freed me as a musician, gave me space, and for that I thank God they are dead. Rolling Stone isn't really a safe source anymore." - Pete Townshend

「皮肉だよ、そう言ったとき、俺は笑ってたんだ。あいつらのことは、友人としてひどく懐かしい。だが、俺が言ったのは、『あいつらの死が、ミュージシャンとしての俺を解き放ち、余地を与えてくれた』ことで、それを感謝するということだ。ローリング・ストーン誌はもはや安心できるソースじゃないな」
〜〜〜引用ここまで

その後、ピートは自身のフェイスブック・ページに謝罪文を掲載します。

ここで注意していただきたいのは、ピートが謝罪しているのは、この件が多くのメディアの「見出しになっていること」です。彼らのご家族、特に、子供達であるマンディ・ムーンとクリス・エントウィッスルに対して、謝罪しているのです。

日本語の記事にあるように、「ジョンやキースへの発言」そのものを撤回したり、謝罪しているわけではありません。

同時に、あまりにも多くのインタビューをこなし、自分のイギリス的物言いが、こういう風に扱われかねないことに対し、注意力が散漫になっていたことにも言及しています。

My interview with Rolling Stone. Headline: 'Pete Townshend says “thanks God” Moon, John Entwistle are dead; they were...

Pete Townshendさんの投稿 2019年11月27日水曜日

ちなみに、物議を醸したローリング・ストーン誌のインタビューですが、数ヶ月かけてザ・フーを追いかけて取材しただけのことはあり、特にロジャー側の面白い情報も出ています。こちらも合わせて読んで見てください。

  • 今までのすべての(曲の)アドリブは、ロジャーによって書かれたが、今更クレジットは要求しない
  • まるで元カノと記者がパーティーで居合わせた時のように、ピートとロジャーは今も目も合わせない。一緒にいられない。ロジャーはホテルをチェックアウトして近くの五つ星に移った。
  • コンサートで珍しい曲を演奏できないのは、ピートが歌詞やコードを覚えられないから

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