ザ・フー ピート・タウンゼント

ピート・タウンゼントの名言:ロックンロールは・・・

投稿日:2018年4月13日 更新日:


『ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし、逃避させてもくれない。ただ、悩んだまま踊らせるのだ』

ピート・タウンゼントの名言に迫る:第2回目

第1回目のブログでは、この発言が世界的に少しずつ違ってきていることについて書きました。それは元々の発言が印刷媒体で広まったのではないからです。

実はこの名言、1978年にピートがアメリカのテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」にキース・ムーンと出演した時に話した内容が視聴者の耳に残り、広まっていったのでした。

この番組は後に「キース・ムーン最後のインタビュー」としても語り伝えられていきます。

では、その当時のザ・フーの状況はどうだったのでしょうか?

1978年8月、映画「キッズ・アー・オーライト」のサントラ盤をリミックスしていたジョンをロンドンに残し、ピートとキースはアルバム『フー・アー・ユー』のプロモーションのため、ニューヨークへ飛び、先にアメリカ入りしていたロジャーと合流、ピートとキースの二人で全米テレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演しました。

番組の流れは、

60年代のバンドの映像が流れる

司会者が15年も続き、次々とヒットを飛ばす稀有なグループとして紹介、3年ぶりの新アルバム「フー・アー・ユー」が出ると告げる

ピートが流された映像に笑った理由とこれが元マネージャーのキット・ランバートによって撮影された事を説明

司会者がキースに質問を投げかけるも、まともに答えられないので、人生をコントロールできているか尋ねる

キースが「とある日の、とあることならね」と回答

司会者が「他の日は?」と尋ねると「めっちゃ呑んだくれててコントロール不能」とキース

司会者が「(キースとは)反対に家庭を持ってるよね」とピートに質問を振る

ピートが「こいつは俺よりずっと前に結婚したよ」と司会者に訂正後、間をおいて、「家族は大事」という話の後、「ザ・フーが15年も続いたのは家族の仕事をやってるようなものだし」

司会者が「全然うまくいってないって本当?」

キース、本気ともつかない答えをした後、「ピートと二人ではどう?」と聞かれ、「うまくやってるよ、いつも同意には至らないんだけど、なんであれ話し合うし・・・」

司会者、ピートにどうやって幸せな家庭を維持するのかを尋ねる

ピート、維持していないと答え、「ツアーに出ていると難しい」

ピート、「ザ・フーがツアーをしていない3年間は家庭も充実し、人生で一番幸せだった」

司会者がキースにツアーに出るのと家にいるのではどちらが良いか聞く

キース「ツアーが楽しい、ある条件の下でなら。とある街のとあるホールでやりたいね、ロンドンでギグをやって、たぶんアメリカでもね」

司会者が怪訝そうに、キースにこの15年で変わったか尋ね、キースの答えを遮り、ピートに「どういうことか訳してくれ」

ここからが例の名言に関わってきます。

ピート「まあ、うまくやれてるよ。俺たちはバンドをやるため、たまたま一緒にいる4人ってわけじゃない。4人で働く男たちで、プレッシャーがかかった状態でスタジオにいて、うまくいかない時は他の奴に怒鳴る。それでも1日の終わりにはバーに立ち寄ったり、ディナーだったり、ゴルフだったり、なんだってあるだろう。一つザ・フーに起こらなかったのは、それが役に立っているんだろうけど、一緒に社交的な生活をしてこなかったことだ。俺たちは強烈な経験をして、旅行して、ツアーして、バンドの成功を維持して、グループの仕事を熱心にしてるんでね。俺たちはロックでやることに関しては理想主義者なのさ、完璧主義者じゃないんだ」
6:26「俺たちはキッズにとってロックンロールが単なる音楽以上のものだと考えている。もっと偉大なものだと信じているんだ」
司会者「いわば一つの芸術形態ですね」
ピート「いや、芸術形態じゃなくて、ぶっちゃけるなら、ええと、音楽は、・・ロック・ミュージックは大切なんだ、人々にとってね、だって、許してくれるから、このクレイジーな世界でさ、それって許してくれるんだよ、そこにある問題から逃げないで向き合うことを、それと同時に(それらの問題の)あちこちで踊ることをね、それがロックンロールとはなんたるか、なのさ

司会者「全員50代になった時、これからも15年、20年、一緒ですか?」
キース「(ご・・、じゅうご・・・と聞き取れないつぶやきの後)うん、あれやこれやで一緒だろうね。いま手にしたプロジェクトだと、撮影所を手に入れたんだけど、映画を作っていてね、自分たちの映画を製作中なんだ。だからザ・フーとしてツアーには出ないろうけど、それでも俺たちはザ・フーのままだよ」
司会者「一緒に働いて?」
キース「一緒に働いて、プロデュースして、作ってね」
司会者「理想のビジネスですか?」
ピートが「俺かキースがビジネスマンでありたいかどうか、わからないけど」と答え、『キッズ・アー・オーライト』や『四重人格』の製作を告げ、「俺たちはそっちの方面に移行しているところだ」
キースが懐から紙を取り出し、『フー・アー・ユー』が8月21日にリリースされると発表

インタビュー終了

いかがですか?
このインタビューの一ヶ月後、1978年9月7日にキースは薬物の過剰摂取で亡くなります。

次はこの時期のザ・フーの様子と、ピートの名言とアルバム「フー・アー・ユー」の関連性についてです。ピートが一体、どんな気持ちで発言したのか探っていきましょう。

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