facebook

3月22/23日、ロンドンのO2でザ・フー公...

投稿日:


3月22/23日、ロンドンのO2でザ・フー公演を観てきました。

 22日の公演自体は技術的にも、演奏にも、色々不具合があり、See Me Feel Meではなんとロジャーが丸々間違えて、そのまま伴奏だけが延々と続くことに。

翌日も『恋のマジック・アイ』で同じ事態になり、ピートから「何たるスペース(時間)の無駄遣い!」と皮肉られていました。

しかし、ロジャーの声自体は素晴らしく響き、どんどん若返っているようにすら聞こえます。

曲の説明にかなり長い時間を割くピート、両日とも舌好調。

『ア・クイック・ワン』の前には、ロック・オペラの成り立ち、すなわち『トミー』誕生に繋がった「キット・ランバートの誕生日に贈った曲」の 'Gratis Amatis'がラテン語でどういう意味か、なども話していました。

また、最前列のリピーターのファンとの内輪ネタ、ブルー・プラークの設置に尽力したファンなど、会場全体のファンに向けてではないけれど、バンドが忠実なファンに対しては決して遠い存在ではないことを感じさせる場面あり。
(その一方で彼らに対する容赦ない毒舌も健在、後方のファンにも「愛してるぞ〜」の挨拶)

 これが12月に延期した際の代替公演だったことを踏まえ、ピートとロジャーからバンドに対するサポートへの謝辞もありました。

 サウンドチェックには全部で180人弱のファンが参加。その中に日本人と思われる方達は10名程。

最近のインタビューで、「ザ・フーの音楽ディレクター」としての役割を打ち明けたフランク・サイムス氏、ここでもかなり自分の意見を持っているのが伺えました。

『マイ・ジェネレーション』のグルーヴに変化をつけるのに、コーラス部分にある提案(「マイ・ジェネレ『エィ』ション」とアクセントをつける)をしていましたが、ピートから却下。

ロジャーも「それ、アメリカ英語だからじゃね?」とツッコミ。
結局いつもので、ということでしたが、本番はそのどっちとも微妙に違う仕上がりだったかも。なんともザ・フーらしいですね。

『エミネンス・フロント』で、全員がコーラスで入ってくるところが気に入らないピート、この曲だけでかなり調整の時間を取る場面も。
そんなに気になるなら、本番ではやらないかもしれないと思えるくらいでしたが、ちゃんと決行。
ここでもいい意味で期待を裏切ってくれるザ・フーでした。

 『マイ・ジェネレーション』に関しては、ピートがオールドスタイル(生まれたての頃のブルース調)のコードを入れてみたとも言ってたので、今後の変化が気になるところです。

2006年ツアーから『マイ・ジェネレーション』〜 『クライ・イフ・ユー・ウォント』が唐突に始まったように、何か違う曲に繋がる可能性を感じましたが、どうなるでしょうか。

これは『無法の世界(Won't Get Fooled Again)も2013年のツアーからロジャーが最後にジャムってきており、こちらも見逃せないところです。

 23日の『愛の支配 (Love Reign Over Me)』は本当に素晴らしかった。ロジャーは彼の持てるだけの全てをこの一曲に一発入魂していました。
終わった後は息を立て直すのにも一苦労、『愛の支配 (Love Reign Over Me)』のような曲はめちゃくちゃ大変、と自己フォロー、それも当然でしょう。

 会場にピートの『アイム・ワン』が響きわたる時、大勢のファンが一気に恍惚状態に!

 特筆すべきは、至る所で強く響くコーラスの完成度の高さ。類稀な腕を持つ各サポート・メンバーが支えてくれるからこそ、今のバンドがあるのに改めて気づきます。

今回のツアーからサイモンとポジションが入れ替わっているピノ・パラディーノが予想外に『マイ・ジェネレーション』で大きな音にミキシングされていて、時折自発的に歌っているのもしっかと見届けました。

 『愛の支配』のピアノのイントロも『四重人格』からの延長線上から僅かに再アレンジがなされ、ここに来て更に進化していこうとするかのザ・フー。

 50周年を祝うこのツアー、『リスニング・トゥ・ユー』では、スクリーンで『トミー』アルバム・ジャケットのマイク・マッキナリーのイラストが描く巨大な人差し指が観客一人ひとりを指し示すとき、「自分にとってのフー」は一体何なのだろう、この会場にいる一人ひとりにそれぞれのファンとしての想いがあり、『自分とバンドを重ねて見ている』」ことを強く考えさせられました。

 また今回の個人的ハイライトは、60年代からのザ・フーの敏腕プロダクション・マネージャーで、予算不足のウッド・ストックでザ・フーのギャラを確保したことでも有名な「ジョン『ウィギー』ウルフ」氏に紹介してもらえたことでした。

馴染みのない異国の私の名前と顔を公演後もちゃんと覚えているし、一目で私たちの持っているグッズをチェック、値段を聞き、妥当かどうか判断する目利きぶりに驚かされ、さすがロックン・ロール50年を支えてきた一人だと感じる一幕も。

78年には「キース・ムーンのホログラム」作成にも関わっていたウィギー、次の北米ツアー用ホログラム調3DデザインのVIPパスを見せてくれ、感想を聞かれました。今でも常に第一線だった頃の感覚が健在なのでしょう。

そのウィギーのインタビューがファンクラブ向けコンテンツとしてthewho.comにて公開中。

ウッドストックの真相、ザ・フーで働くようになったいきさつ、『キッズ・アー・オールライト』ドキュメンタリーの『無法の世界』映像でレーザー使用に至った理由などを語ってくれています。
少し前に話題になった「ウッドストックのギャラ」で書かれていたザ・フーの額とは違うようです。興味のある方は是非。

Comments

-facebook

Copyright© <ザ・フー>The Who's Japanese Fans! , 2024 AllRights Reserved Powered by micata2.