『四重人格』バレエのプロモーションで、ニューヨーク滞在中に撮影された動画。ボックスの中からアイテムを取り出し、ピートが解説していきます。
やあ、ピート・タウンゼントだ。今からiHeart Radioの箱を壊していくぞ。
・『フー・ケイム・ファースト』のCD
ああ、これは『フー・ケイム・ファースト』じゃないか。 これは、いわば俺の最初のソロアルバムだ。本当はソロアルバムにするつもりじゃなかったんだけどな。
俺がやったのは、メヘル・ババっていうインドの導師の信奉者だった友人達と何枚かアルバムを作ったんだよ、その師についてのね。
お前らが見てわかるかどうかわからないけど、彼は交通事故で鼻を砕かれたんだ、若い頃はもっとずっと整ってたんだよな。
とにかく、当時の俺のレコードレーベルだったデッカが、こういったアルバムが海賊版になっていることにうんざりして、「ピート、これを出したいんだけど」って言ってきたんだよね。
それで、デッカが俺に15万ドルをくれたんで、それをいくつかの関連慈善団体に寄付して、このアルバムを作ったのさ。いい曲がいっぱい入ってる。
「ライフ・ハウス・プロジェクト」から、オリジナル曲の『ピュア・アンド・イージー』が入ってるよ。
『Evolution』は当時の親友で、スモール・フェイセズとフェイセズのロニー・レーンとレコーディングした曲だ。ロニーを知ってるかどうか分からんが、もし知らなかったら、ぜひ聴いてみてくれ。
『Forever's No Time At All』は、長年、ザ・フーの音楽監督を務めた友人のビリー・ニコルズが書いた曲。
『Time Is Passing』と『Let's See Action』も、ライフ・ハウス・プロジェクトの曲。
「ライフ・ハウス・プロジェクト」は、俺が手がけたSFプロジェクトのことだ。
失敗に終わっちまったが、そのおかげで『無法の世界(Won’t Get Fooled Again)』や『ビハインド・ブルー・アイズ』、それに『ババ・オライリィ』がザ・フーのアルバム『フーズ・ネクスト』に挿入されんだ。
これで分かったよな。
・リモコン
「動画を再生せよ」
(自身の過去の動画) 「約1年くらいは、自分のヒーローの真似をしているだけだと思っていたよ。文字通り、ただ真似しているだけってね。とにかく、その後、ストーンズを2、3回見たけど、キース(リチャード)はもうやっていなかった。彼のところに行って、「腕を振りまわすテクニックだけど、真似してもいいかな?」って言ったら、彼はまるでバイ菌を見るような目で俺を見たんで、彼にはやった覚えがないんだと気づいた」 (動画終わり)
...それで、腕を振り回し始めたんだ。それが一番最初のギミックだった。たぶんギターを壊す前だったと思う。昔は2つのスタントをやっていた。1つは、モッド初期の頃、バードマンと呼ばれていたやつだ。1964-65年はアンプのフィードバックを拾って、こうやって立って、飛行機の真似をしていた。戦争とか、戦争の騒音とか、そういうことを表現していたんだ。
もう1つは、こんな感じのポーズ。それから腕を振り始めた。その由来は、1963年の初期の頃、ストーンズのサポート・アクトをしていた時のことだ。
彼らはまだブレイク中だった。俺たちも当時はザ・フーとすら呼ばれていなかった。ハイ・ナンバーズと呼ばれていたんだ。そして幕が開くと、バックステージでキース・リチャードがウォーミング・アップをしていたんだ、ストレッチをね。
彼はこんな感じで、そしてこうやって、俺は「わあ、なんて素晴らしい動きなんだ」と言った。それで、それを真似した。キース・リチャーズの大ファンだったからな。
何度か真似をしたけど、その後に何度か彼らのライブに行ったら、彼はやっていなかった。それで、これは自分のものだ、一生やってもいいんだ、と思った。
誰も俺のようにはできないぞ。
・小さなバンジョーの入った黒い箱
さて。箱があるぞ。黒い箱だ。そして、箱の中にはバンジョーが入っている。おお。このちっこいの、なんて素敵なんだ。
うん、綺麗だな、美しく作られた小さなおもちゃのバンジョーだ。そうだ、それが俺の最初の楽器だった。実は、ザ・フーのベース担当のジョン・エントウイッスルと俺は、トラディショナル・ジャズ・バンドに所属していた。トラディショナル・ジャズはまさに、偉大なレジェンド、ルイ・アームストロングの音楽だった。
ルイ・アームストロングは映画スターになったが、その声でも、もっとよく知られている。彼はニューオーリンズのジャズ・プレイヤーで、素晴らしいトランペット奏者だったが、それだけでなく、彼の曲はどれもイギリスのジャズ・シーンの一部だった。だから俺は、彼の曲を全部知っていた。そして数年前、ニューオーリンズのファウンデーション・ホールかメモリアル・ホールだったと思うが、そこでジャズ・バンドと演奏する機会があった。古いバンジョーを手にして、ジャズの曲を全部演奏することができた。最高だったね。それから、Covidになったんだよな。トランペット奏者がキスしてきて、Covidをもらっちまった。
・アルバム『ライブ・アット・リーズ』を印刷した紙
これは『ライブ・アット・リーズ』だ。
当時、批評家たちはこれを「史上最高のロックンロール・ライブアルバム」と評した。今でも通用する作品だ。あのな、俺はそれほど速弾きじゃない。ベースはエントウィッスルに任せっぱなしだった。キース・ムーンはドラマーとしてはリズムがめちゃくちゃだった。だから、ビートをキープするのは俺にかかってる。それで、華麗なソロをわざわざ学ぶ気にはなれなかった。でも、『ライブ・アット・リーズ』では挑戦したよ。
『ライブ・アット・リーズ』で最高なのは、自分で録音して、ミックスしたことだ。ロンドンのトゥイッケナムにある自宅スタジオでミックスしたんだ。
今も持っているけど、新しい小さなニーヴ社のデスクにフェーダー(音量調節機)を載せてミックスした。8トラックだったからミックスも簡単で、素晴らしいサウンドのレコードだった。
このアルバムを作ったのは、デッカが海賊版について文句を言っていたからだと思う。彼らはいつも海賊版について文句を言っていた。
・船乗り帽
ああ、船乗り帽か。セーリング好きなのが少し分かってきたかな。えーと、船長の帽子についてはよくわからない。俺は船長じゃない。船長の資格は持っているけど、乗客でいる方が好きなんだ。レースもやるよ。クラシック・ボートっていうのをね。そしてこの時計は、ポルクロール島のレースで4回優勝した時のプレゼントなんだ。今年の初めのことだ。ポルクロール島に行って、小さなボートでレースをしたんだよ。小さなボートで4回優勝して、時計をもらったんだ。
・エディ・ベッダーとの写真
ああ、エディ・ベッダーか。今となっては本当に親友だし、パール・ジャムが大好きなんだ。パール・ジャムのファーストアルバムが発売された時、すごく気に入ってたよ。シカゴのチャリティ団体『メリーヴィル』のために、よく一緒に演奏したな。
『メリーヴィル』は孤児の子供たちを支援する慈善団体で、スミス(綴りはY)神父という男性が運営していた。彼は80歳くらいの背の高い大男で、元バスケットボール選手で、とても背が高かった。6フィート4インチ(約193cm)もあったんだ。
エディと俺は『メリーヴィル』のためにシカゴのハード・ロックでチャリティコンサートを4、5回やった。それ以来、エディは10回くらい、ザ・フーと一緒に活動しに来てくれているよ、電話すればね。エディのチャリティで一緒に活動できたらと思うよ。彼は毎年コンサートをやっているんだ。俺もいつか一緒にやりたいと思っている。彼は素晴らしい奴だ。本当に素晴らしい奴なんだ。
・ロジャー・ダルトリーとの写真
ロジャー・ダルトリーね。ロジャー・ダルトリーと俺は仲が悪いことで有名だが、実際のところはうまくやってる。でなければ、こんなに長い間、同じバンドにはいなかっただろう。俺たちが仲が悪いのは、俺たちが違うから。ただ、ものすごく違うからだ。
政治的な考えも違う。でも、ついこの間やったアメリカでの最後のツアー、あの伝説の「フェアウェル・ツアー」だけど、チケットに書いてあることは鵜呑みにするんじゃないぞ。「"フェアウェル"・ツアー」ってな。
俺は決めたんだ、俺たちが初めてオーケストラなしでツアーをすることに。大規模なオーケストラと2回のツアーをやったが、ステージにはバンドだけで、昔ながらのやり方で演奏した。俺は、ロジャーのステージでの時間をできるだけ楽しいものにしてやろうと思っていた。
すると、どうだ?それが俺にもうまくいったんだ。俺があいつを幸せにすればするほど、あいつも俺のやっていることに満足しているように見えた。あいつはステージで俺にたくさんの自由を与えてくれたよ、クレイジーなソロを弾けるようにね。俺のソロは大抵調子っぱずれな音だけどな。まあとにかく、俺たちは今、すごく仲良くやってるし、将来一緒に何かをすると思う。
チャリティ活動も一緒にやるよ。プライベート・ショーもやるかもしれない。どうなるか分からないけど。
まあ、俺たちは音楽を作り続けるつもりだ。
ハリウッド・ボウル公演より『Tea and Theatre』
・バレエ・シューズ
おお、こりゃあいい。3歳半の時、バレエを習っていたんだ。西ロンドンに住んでいた。そうだな、18ヶ月くらいバレエを習っていたと思う。俺はまだ小さな子供だったんだけど、クラスには女の子が24人くらいいて、男の子は俺だけだったんだ。彼女たちのことはぼんやりと覚えているんだけど、みんなすごく可愛くて、俺も可愛い男の子だった。髪はブロンドだった。とても可愛かったよ、新たに鼻が育つ前の小さい頃はな。
ある日、俺はトラブルに巻き込まれ、してはいけないことをしてしまった。すると、ちょっと扱いにくくて手に負えないバレエの女性教師が俺を壁に押し付け、俺の小さなズボンを引きずり下ろして、(バレエ・シューズの)片方で叩いたんだ。でも、俺はさして気にしなかった。ちょっと恥ずかしかったが、気にしてなかった。だが、露出狂になるには幼すぎたので、両親に話した。
すると父が「バレエなんて時間の無駄だって言っただろ」と言って、両親がそこをやめさせた。でもな、俺の心のどこかには、昔からバレエダンサーがいるんだ。
それで今、ニューヨーク・シティ・センターで「クアドロフェニア・ロック・バレエ」を上演することになった。(画面に「クアドロフェニア・ロック・バレエ」のポスターが映し出される)

まだチケットを買っていなければ、もう観られないかもしれないので、売り込みはできないけど、将来的にはツアーで再演できるといいなと思っている。アメリカ人は「ワクワクしている」とよく言うよな。俺も本当にワクワクしている(笑)。本当に素晴らしい作品なんだ。
妻のレイチェルがザ・フーのアルバムをオーケストラ化して、スコアをレコーディングした。オーケストラのスコアと若いダンサーたち、そしてクアドロフィニアの物語が、新しい形で生き生きと表現されている。モダンに感じるし、現代を体現している。今の若者たちが経験していることを、たくさん感じられる。
自己分析、自分の進むべき道を見つけようとする努力、ジェンダー問題、性の問題、気候変動の問題、現在進行中の戦争など、あらゆる問題をね。
現代の若者は大変だ。
それに加えて、ソーシャルメディアのおかげで、誰もが誰かの行動をチェックしていて、誰かがミスをすれば、誰もがそれを知っているときた。それで、このバレエはそういうテーマで、それを現代に持たらしている。
いつか見てもらえると嬉しいよ。本当に素晴らしい作品なので。
iHeart Radio Boxの内容は以上だ。ご視聴ありがとう。
(終わり)
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