最近はザ・フーのロゴの情報がFBでも流れてくるようになりました。
しかし、残念なことに殆どが正確な情報ではありません。新旧ロゴを混同しています。
そこで、主たるロゴと由来を残しておきます。作った本人に聞いた、ここにしかない情報もあります。
1. 商用ロゴとして最も古いものは、1964年の有名な『マキシマム R&B』と呼ばれるポスターです。その年の12月に始まったマーキー・クラブのレジデンシーを宣伝するため、マネージャーのキット・ランパートが作らせました。イギリスのアーティスト、ブライアン・パイクによるデザイン。Oから伸びた矢印が男性性を表し、二つのhの組み合わせは統一性を象徴していると言われます。

2. 2015-16年のワールド・ツアーで、『ザ・キッズ・アー・オーライト』の説明として、ロジャーは何度も「ピートは俺のことを書いたんだと思った。新婚生活が始まり、義母と一緒に住む公団の窓から、外に停めたディトゥアーズのバンに自分で描いた矢印を眺めていると、初の海賊放送がルクセンブルグから流れてきて、妻子と別居し、矢印の先にある世界、すなわち先に進んで未来を掴もうと思った」という話をしていました。アメリカの評論家は歌詞に出てくる「ベル」を「結婚式のベル」と捉えていますが、ロジャーもそう解釈しているのかも?
ちなみにピートは、「お前じゃない、俺が描いた」「お前の曲でいいとも、俺がどこかの会社に売りつけるまではな!」とツッコミ。

3. 1965年に『マイ・ジェネレーション』プロモーション用の撮影会にて。©David Magnus/Shutterstock 
4. アルバム『四重人格』の表カバーはロジャーのいとこのグラハム・ヒューズが撮影、全般のアイディアはロジャーによるもの。パーカの背中にあるザ・フーの文字はロジャーが書いたと言われます。ヒューズの他の仕事の都合でブックレットの撮影は『フーズ・ネクスト』のカバーを撮ったイーサン・ラッセルが行いました。今でもよく使われるロゴです。

5. 2014年の『The Who Hits 50!』ツアーで使われたロゴ。1974年のチャールトン・アスレティック・フットボール場で行われたフェスティバルのポスターをトリビュート。それも元々はイギリスの二百数十年の歴史を持つ食肉加工業者で、のちにアイスクリームも売り出した「ウォールズ」のロゴのフォントに由来します。

50周年用のロゴ

©Kosh 1974年のポスター。ザ・フーは126dBを叩き出し、ギネスに認定。
![]() ソーセージで有名なウォールズのロゴ |
![]() ウォールズ・アイスクリームのポスター |
同じく2014年のシングル『ビー・ラッキー』ジャケットの30枚限定リソグラフ。デザインにある謎(?)の数字「299」に合わせて最後の30枚目は「29.9 / 29.9」とナンバリングされました。(管理人が所有しています)デザインはリチャード・エヴァンス。「299」という数字は、リチャードが購入した60年代のドッグレースのチケットの番号。物持ちがいいですね。発表当時は「イルミナティカード」だの、「青の色番号」だの、さまざまな憶測が飛び交いました。歌詞の不思議も機会と需要があれば解説したいと思います。

両手の親指の先をつけて「W」の形を作るのは「ラッキー・フー・サイン」
ポール・マッカートニーは同じものを「ウィングス・サイン」として用い、ピンク・フロイドは変化させて1975年のツアー・パンフレットに「ピラミッド・サイン」として使っています。当時ヒプノシスでこのパンフレットに携わったリチャード・エヴァンスによると、「この頃はこの『ラッキー W』ハンドサインが流行りで何にでも使われていた」とのこと。パンフの作画は「スワンソング・レコード」のイカルスを描いたジョー・ペタグノ。このイカルスを採用する瞬間の話をリチャードから聞かせてもらった時は、大興奮しました。
![]() 「ラッキー・フー」サイン! |
![]() これも「ラッキー・フー」サイン? |
![]() 「ラッキー・フー」から「ラッキー・ピラミッド」を作る方法を解説 |
Swan Song Recordsのロゴ |
5. 現在最もよく知られている「ターゲットマークに『The Who』」
1.のポスターのフォントを少し狭くして、ターゲットマークを組み合わせたもの。2006年のワールド・ツアーから使われた比較的新しいロゴですが、今では「ザ・フーのロゴ」といえばこれを思い浮かべる人も多いのでは。デザインはリチャード・エヴァンス。


2019年のアルバム『WHO』。カバー・デザインはピーター・ブレイク




